【宅建でも出題があるかも?民法編】 行政書士過去問 H28-34 不法行為・使用者責任

民法で満点が取りたい方のために、宅建試験でも出そうな、行政書士本試験問題を選んで掲載しています。

民法の基本知識の勉強が済んでいない方は、モチベーションが下がる可能性がありますので、
見ない方がいいと思います。
逆に多くの判例を知っておきたいと言う方は、正解不正解に関係なく、
ぜひ、挑戦して頂いて、知識を広げてください。

行政書士民法 H28-34 不法行為・使用者責任 問題

不法行為に基づく損害賠償に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、正しいものの組合せはどれか。

ア. 使用者Aが、その事業の執行につき行った被用者Bの加害行為について、Cに対して使用者責任に基づき損害賠償金の全額を支払った場合には、AはBに対してその全額を求償することができる。

イ. Dの飼育する猛犬がE社製の飼育檻から逃げ出して通行人Fに噛みつき怪我を負わせる事故が生じた場合において、Dが猛犬を相当の注意をもって管理をしたことを証明できなかったとしても、犬が逃げ出した原因がE社製の飼育檻の強度不足にあることを証明したときは、Dは、Fに対する損害賠償の責任を免れることができる。

ウ. Gがその所有する庭に植栽した樹木が倒れて通行人Hに怪我を負わせる事故が生じた場合において、GがHに損害を賠償したときは、植栽工事を担当した請負業者Iの作業に瑕疵があったことが明らかな場合には、GはIに対して求償することができる。

エ. 運送業者Jの従業員Kが業務として運転するトラックとLの運転する自家用車が双方の過失により衝突して、通行人Mを受傷させ損害を与えた場合において、LがMに対して損害の全額を賠償したときは、Lは、Kがその過失割合に応じて負担すべき部分について、Jに対して求償することができる。

オ. タクシー会社Nの従業員Oが乗客Pを乗せて移動中に、Qの運転する自家用車と双方の過失により衝突して、Pを受傷させ損害を与えた場合において、NがPに対して損害の全額を賠償したときは、NはOに対して求償することはできるが、Qに求償することはできない。

  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ



行政書士民法 H28-33 不法行為・使用者責任 解説

 

ア. × 誤り

【問題】

使用者Aが、その事業の執行につき行った被用者Bの加害行為について、Cに対して使用者責任に基づき損害賠償金の全額を支払った場合には、AはBに対してその全額を求償することができる。

【解説】

使用者Aから被用者Bに対して、求償することは可能です。

ただ、求償の範囲については、その事業の性格、規模、施設の状況、被用者の業務の内容、労働条件、勤務態度、加害行為の態様、加害行為の予防若しくは損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において、被用者に対し損害の賠償又は求償の請求をすることができるとなっています。

従って、無条件にAはBに対してその全額を求償できるわけではありません。

 

イ. × 誤り

【問題】

Dの飼育する猛犬がE社製の飼育檻から逃げ出して通行人Fに噛みつき怪我を負わせる事故が生じた場合において、Dが猛犬を相当の注意をもって管理をしたことを証明できなかったとしても、犬が逃げ出した原因がE社製の飼育檻の強度不足にあることを証明したときは、Dは、Fに対する損害賠償の責任を免れることができる。

【解説】

民法718条に、『動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。』と規定されています。

と言うことは、Dが猛犬を相当の注意をもって管理をしたことを証明できなければ、Dは損害賠償をする責任を負うことになりますので、記述は誤りだとなります。

 

ウ. 〇 正しい

【問題】

Gがその所有する庭に植栽した樹木が倒れて通行人Hに怪我を負わせる事故が生じた場合において、GがHに損害を賠償したときは、植栽工事を担当した請負業者Iの作業に瑕疵があったことが明らかな場合には、GはIに対して求償することができる。

【解説】

民法717条2項に、『前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。』となっていますから、同条1項の、『土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。』との規定の適用を記述は受けることになりますので、GがHに損害を賠償しなければいけないとなります。

また、同条3項には、『損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。』となっていますから、GはIに対して求償することができるとなります。

従って、記述の通りとなります。

 

エ. 〇 正しい

【問題】

運送業者Jの従業員Kが業務として運転するトラックとLの運転する自家用車が双方の過失により衝突して、通行人Mを受傷させ損害を与えた場合において、LがMに対して損害の全額を賠償したときは、Lは、Kがその過失割合に応じて負担すべき部分について、Jに対して求償することができる。

【解説】

Lがいないと仮定し、Kの単独事故だったと考えた場合、「Kは業務として運転するトラック」とありますから、運送業者Jは使用者責任を負うことになりますので、JとKは連帯して、被害者Mに対して賠償責任を負うことになります。

これに、加害者Lを加えた場合、JKとLは連帯して、被害者Mに対して賠償責任を負うとなります。

言い換えると、JKLは、Mに対して、連帯債務を負っているということになりますから、LがMに全額返済したのなら、JKに対して、Lの負担部分を超える額は求償できるとなります。

その負担部分ですが、JとKの過失割合で決することが、ごく自然だと判断できますので、記述は正しいとなります。

 

オ. × 誤り

【問題】

タクシー会社Nの従業員Oが乗客Pを乗せて移動中に、Qの運転する自家用車と双方の過失により衝突して、Pを受傷させ損害を与えた場合において、NがPに対して損害の全額を賠償したときは、NはOに対して求償することはできるが、Qに求償することはできない。

【解説】

肢3で、解説しましたが、NOとQは、Pに対して、連帯して損害を賠償する責任を負っています。

ですから、連帯債務者の一人が弁済したのなら、負担部分を超える額は他の連帯債務者に求償できるとなります。

従って、NはOにもQにも求償することはできるとなり、記述は誤りだとなります。

 

正しい肢は、ウエ
以上より、解答はでした。 

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