【宅建でも出題があるかも?民法編】 行政書士過去問 H28-33 債務不履行責任

民法で満点が取りたい方のために、宅建試験でも出そうな、行政書士本試験問題を選んで掲載しています。

民法の基本知識の勉強が済んでいない方は、モチベーションが下がる可能性がありますので、
見ない方がいいと思います。
逆に多くの判例を知っておきたいと言う方は、正解不正解に関係なく、
ぜひ、挑戦して頂いて、知識を広げてください。

行政書士民法 H28-33 債務不履行責任 問題

債務不履行責任に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

  1. 不確定期限がある債務については、その期限が到来した時ではなく、債務者が履行期の到来を知った時から履行遅滞になる。
  2. 債務者が自己の債務を履行しない場合、その債務不履行につき帰責事由がないことを債務者の側において立証することができなければ、債務者は債務不履行責任を免れることができない。
  3. 賃借人が賃貸人の承諾を得て賃貸不動産を転貸したが、転借人の過失により同不動産を損傷させた場合、賃借人は転借人の選任および監督について過失がなければ、賃貸人に対して債務不履行責任を負わない。
  4. 受寄者が寄託者の承諾を得て寄託物を第三者に保管させたが、当該第三者の過失により寄託物を損傷させた場合、受寄者は当該第三者の選任および監督について過失がなければ、寄託者に対して債務不履行責任を負わない。
  5. 特別の事情によって生じた損害につき、債務者が契約締結時においてその事情を予見できなかったとしても、債務不履行時までに予見可能であったと認められるときは、債務者はこれを賠償しなければならない。



行政書士民法 H28-33 債務不履行責任 解説

 

1. 〇 妥当

【問題】

不確定期限がある債務については、その期限が到来した時ではなく、債務者が履行期の到来を知った時から履行遅滞になる。

【解説】

不確定期限というのは、その期限は必ずやってくるのですが、それがいつになるかわからないと言った期限です。

例えば、次に雨が降ったら、1万円やるよと言った契約で、雨は必ず降りますが、債務者が雨を降ったことを知らなければ1万円をやらなければいけないと意識しませんので、債務者が雨が降ったことに気が付けば、1万円をやらないといけないと意識しますから、債務者が履行期の到来を知った時から履行遅滞となります。

民法412条2項
債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来したことを知った時から遅滞の責任を負う。

 

2. 〇 妥当

【問題】

債務者が自己の債務を履行しない場合、その債務不履行につき帰責事由がないことを債務者の側において立証することができなければ、債務者は債務不履行責任を免れることができない。

【解説】

常識的に考えて、自分に非がないから責任は自分にないと主張するのだったら、それを証明してくださいとなるはずです。

ですから、記述の通り、債務不履行につき帰責事由がないことを債務者の側において立証することができなければ、債務者は債務不履行責任を免れることができないとなります。

 

3. × 妥当でない

【問題】

賃借人が賃貸人の承諾を得て賃貸不動産を転貸したが、転借人の過失により同不動産を損傷させた場合、賃借人は転借人の選任および監督について過失がなければ、賃貸人に対して債務不履行責任を負わない。

【解説】

判例は、賃借人が賃貸人の承諾を得ないで転貸借を行った、転借人は賃借人(転貸人)の履行補助者だとして、転借人の過失は転貸人の過失となり、賃貸人に対して債務不履行責任を負うとなっています。

ですが、記述は賃借人が賃貸人の承諾を得ての転貸借ですから、この判例をそのまま当てはめることができません。しかも、賃貸人の承諾を得ての転貸借については、判例がありません。

ただ、東京地裁で、賃借人は転借人の選任および監督について過失があるときに限り、賃貸人に対して債務不履行責任を負うとする判決があります。
出題者はこの裁判例を題材として、出題したとも考えられます。

ですが、通説では、賃貸人の承諾を得た転貸借であっても、転借人は履行補助者と考え、賃借人も賃貸人に対して債務不履行責任を負うとしており、この肢は、〇とも×とも回答ができます。

しかしながら、他の肢は明らかに妥当な肢となっているため、この肢が、妥当でない肢と判断しました。

 

4. 〇 妥当

【問題】

受寄者が寄託者の承諾を得て寄託物を第三者に保管させたが、当該第三者の過失により寄託物を損傷させた場合、受寄者は当該第三者の選任および監督について過失がなければ、寄託者に対して債務不履行責任を負わない。

【解説】

寄託とは、受寄者が、寄託者のために物を保管することを約し、ある物を受け取ることによって成立する契約です。

ですから、受寄者が、寄託者の物を保管する目的の契約なのですから、寄託者の物を使用したり、第三者に代わって保管させることは、寄託者の目的とすることではありませんので、原則することができません。

但し、寄託者が承諾すれば、行うことが可能です(民法658条1項)。

記述は、その承諾を得ているとなっていますから、第三者に保管させること自体に問題はありません。ただ、寄託者は受寄者を信頼して、受寄者が推薦する人だったら間違いないと言った具合に、承諾しているはずですので、その期待に反して、受寄者が推薦した第三者の過失により寄託物を損傷させたのであれば、当然に、その責任を受寄者が負うだろうと容易に想像できると思います。

従って、受寄者は当該第三者の選任および監督について過失があれば責任は負うことになりますし、なければ、責任を負う必要はないとなります(民法658条2項)。

 

5. 〇 妥当

【問題】

特別の事情によって生じた損害につき、債務者が契約締結時においてその事情を予見できなかったとしても、債務不履行時までに予見可能であったと認められるときは、債務者はこれを賠償しなければならない。

【解説】

民法416条2項には、債務不履行に対する損害賠償の請求は、特別の事情によって生じた損害であっても、当事者(債務者)がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができると規定しています。

ここで、問題となるのが、特別事情の予見は、契約時なのか債務不履行時なのか、いつの時点を基準に判断したらいいのかとなります。この点については、民法には規定がありません。

そこで、判例となるのですが、判例では、債務不履行によって債務者が特別事情を予見した場合、債務者は債務を履行をこのまましなければ、この特別事情による損害が膨らむだろうと言うことも予見でき、その予見できる損害を賠償させても、過酷とは言えないとして、特別事情の予見は、債務不履行時を基準に判断すべきとしています。

従って、記述の通りとなります。

 

以上より、解答はでした。 

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