【宅建でも出題があるかも?民法編】 行政書士過去問 H24-29 通行地役権

民法で満点が取りたい方のために、宅建試験でも出そうな、行政書士本試験問題を選んで掲載しています。

民法の基本知識の勉強が済んでいない方は、モチベーションが下がる可能性がありますので、
見ない方がいいと思います。
逆に多くの判例を知っておきたいと言う方は、正解不正解に関係なく、
ぜひ、挑戦して頂いて、知識を広げてください。

行政書士民法 H27-29 通行地役権 問題

甲土地を所有するAは、甲土地に隣接するB所有の乙土地を通行している。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 甲土地が乙土地に囲まれて公道に通じていない場合、AがBに対して囲繞地通行権* を主張するためには、Aは甲土地の所有権の登記を具備していなければならない。
  2. 甲土地と乙土地は元々一筆の土地であったが、分筆によって他の土地に囲まれて公道に通じていない甲土地が生じ、これによりAが乙土地に対する無償の囲繞地通行権を有するに至った場合において、その後に乙土地がCに売却されたとしても、Aは当然にCに対してこの通行権を主張することができる。
  3. AがBとの間の賃貸借契約に基づいて乙土地を通行している場合において、その後に甲土地がCに売却されたときは、これによりCも当然に乙土地を通行することができる。
  4. Aは、少なくとも20年にわたって、自己のためにする意思をもって、平穏、かつ、公然と乙土地の一部を通行していれば、A自らが通路を開設していなくても、乙土地上に通行地役権を時効取得することができる。
  5. Aが地役権に基づいて乙土地の一部を継続的に通路として使用している場合において、その後にCが通路の存在を認識しながら、または認識可能であるにもかかわらず認識しないでBから乙土地を承継取得したときは、Cは背信的悪意者にあたるので、Aの地役権設定登記がなされていなくても、AはCに対して通行地役権を主張することができる。

(注)* 囲繞地通行権とは、民法210条1項に規定されている「他の土地に囲まれて公道に通じていない土地」の通行権のことをいう。




行政書士民法 H27-29 通行地役権 解説

 

1. × 妥当でない

【問題】

甲土地を所有するAは、甲土地に隣接するB所有の乙土地を通行している。

甲土地が乙土地に囲まれて公道に通じていない場合、AがBに対して囲繞地通行権* を主張するためには、Aは甲土地の所有権の登記を具備していなければならない。

【解説】

登記と言うのは、対抗関係にある第三者に対する場合に、必要となるものです。

囲繞地の所有者とは、甲土地の所有権を争っているわけでもないのですから、何ら対抗関係にないと言うことになります。ですから、登記がなくても、AがBに対して囲繞地通行権を主張することができますので、記述は妥当ではありません。

 

2. 〇 妥当

【問題】

甲土地を所有するAは、甲土地に隣接するB所有の乙土地を通行している。

甲土地と乙土地は元々一筆の土地であったが、分筆によって他の土地に囲まれて公道に通じていない甲土地が生じ、これによりAが乙土地に対する無償の囲繞地通行権を有するに至った場合において、その後に乙土地がCに売却されたとしても、Aは当然にCに対してこの通行権を主張することができる。

【解説】

甲土地と乙土地を分筆する際、甲土地が囲繞地になることがわかっていて、分筆したはずです。その時、解決策として、甲土地の価値を維持させるため、乙土地の通行を無償でいいと許可したと通常考えられます。

これを、乙土地の所有者が変更になったからと言って、安易に反故にされては、甲土地所有者Aとしては、たまったものではありません。

ですから、判例においても、乙土地がCに売却されたとしても、Aは当然にCに対してこの通行権を主張することができるとなっています。

 

3. × 妥当でない

【問題】

甲土地を所有するAは、甲土地に隣接するB所有の乙土地を通行している。

AがBとの間の賃貸借契約に基づいて乙土地を通行している場合において、その後に甲土地がCに売却されたときは、これによりCも当然に乙土地を通行することができる。

【解説】

AがBとの間の賃貸借契約に基づいて乙土地を通行していると言うことは、賃貸人=A、賃借人=Bと言うことになります。

記述は、甲土地を売却したとなっていますから、Bは甲土地の所有権と賃借人たる地位を売却したことになります。Bは、甲土地の所有者ですから、その所有権を譲渡することは当然に行えます。では、賃借人たる地位はどうでしょうか?

民法612条1項
賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。

上記規定のように、賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲渡できません。賃貸人の承諾なしに行った譲渡は、契約の解除をすることができます。
ですから、Cは、当然には乙土地を通行することはできないとなります。

 

4. × 妥当でない

【問題】

甲土地を所有するAは、甲土地に隣接するB所有の乙土地を通行している。

Aは、少なくとも20年にわたって、自己のためにする意思をもって、平穏、かつ、公然と乙土地の一部を通行していれば、A自らが通路を開設していなくても、乙土地上に通行地役権を時効取得することができる。

【解説】

通行地役権を時効取得することができます。
まず、条文に書かれている、所有権の時効取得を見ておきましょう。

民法162条1項
二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。

上記条文と記述に書かれている通行地役権の時効取得について、違いを感じませんか?

記述には、他人の物云々と言うキーワードがないのです。
時効取得と言うのは、一定期間『他人の物』を占有したり、使うことで、その権利を与えましょうと言うものですから、通行地役権の場合は、他人が作った通路を、一定期間使用し続けることが要件となるのです。

ですから、A自らが通路を開設したのであれば、他人物ではないですから、時効取得要件は満たされないと言うことになるのです。要件を満たすためには、Bが通路を開設する必要があるとなります。

 

5. × 妥当でない

【問題】

甲土地を所有するAは、甲土地に隣接するB所有の乙土地を通行している。

Aが地役権に基づいて乙土地の一部を継続的に通路として使用している場合において、その後にCが通路の存在を認識しながら、または認識可能であるにもかかわらず認識しないでBから乙土地を承継取得したときは、Cは背信的悪意者にあたるので、Aの地役権設定登記がなされていなくても、AはCに対して通行地役権を主張することができる。

【解説】

通常、乙土地が売却される場合、この箇所は甲土地の通路として使用していると言うように、売主Bから買主Cに説明があるはずですし、買おうとしている土地の一部が通路となってれば、これは何ですか?ってCからBに質問があってもおかしくないと思います。ですから、Cが通路の存在を認識していなかったと言ったところで、明らかに乙土地の一部に通路が存在している以上、Cの主張は通ることはなくて、Aの地役権設定登記がなされていなくても、AはCに対して通行地役権を主張することができます。

記述は、Cは背信的悪意者にあたるとの理由で、Aの主張を認めていますが、前述の通り、Cの背信的悪意者との理由ではありませんので、記述は妥当ではありません。

 

以上より、解答はでした。 

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