【宅建でも出題があるかも?民法編】 行政書士過去問 H17-25 対抗関係

民法で満点が取りたい方のために、宅建試験でも出そうな、行政書士本試験問題を選んで掲載しています。

民法の基本知識の勉強が済んでいない方は、モチベーションが下がる可能性がありますので、
見ない方がいいと思います。
逆に多くの判例を知っておきたいと言う方は、正解不正解に関係なく、
ぜひ、挑戦して頂いて、知識を広げてください。

行政書士民法 H17-25 対抗関係 問題

不動産と登記に関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らし妥当なものはどれか。

  1. Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却した後、Bが甲土地をCに売却したが、いまだに登記がAにある場合に、Bは、甲土地に対する所有権を喪失しているので、Aに対して移転登記を請求することはできない。
  2. Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却した後、Aが重ねて甲土地を背信的悪意者Cに売却し、さらにCが甲土地を悪意者Dに売却した場合に、第一買主Bは、背信的悪意者Cからの転得者であるDに対して登記をしていなくても所有権の取得を対抗できる。
  3. Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却し、Bは、その後10年以上にわたり占有を継続して現在に至っているが、Bが占有を開始してから5年が経過したときにAが甲土地をCに売却した場合に、Bは、Cに対して登記をしなくては時効による所有権の取得を対抗することはできない。
  4. Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却したが、同売買契約が解除され、その後に、甲土地がBからCに売却された場合に、Aは、Cに対して、Cの善意悪意を問わず、登記をしなくては所有権の復帰を対抗することはできない。
  5. Aの所有する甲土地につきAがBに対して遺贈する旨の遺言をして死亡した後、Aの唯一の相続人Cの債権者DがCを代位してC名義の所有権取得登記を行い、甲土地を差し押さえた場合に、Bは、Dに対して登記をしていなくても遺贈による所有権の取得を対抗できる。



行政書士民法 H17-25 対抗関係 解説

 

1. × 妥当でない

【問題】

Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却した後、Bが甲土地をCに売却したが、いまだに登記がAにある場合に、Bは、甲土地に対する所有権を喪失しているので、Aに対して移転登記を請求することはできない。

【解説】

A→B→Cと甲土地を売却したとなっています。

登記は、起こった事実が書かれていないと意味がありません。
ですから、甲土地の所有権が、AからB、BからCに現実に移転したのなら、その事実を記載する必要があると思いませんか? Aから移転登記を受ける前に、BがCに甲土地を売却したとしても、その事実を忠実に書くのが、登記に求められることだと思います。

また、不動産の契約で売主の履行の義務は、不動産の引渡しと移転登記の協力だと考えます。とすると、Aは履行の義務を完全には果たしていないと言うことになります。
以上から、Bが既に甲土地の所有権を失っているとしても、BはAに対して、移転登記を請求することはできるとなります。

 

2. × 妥当でない

【問題】

Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却した後、Aが重ねて甲土地を背信的悪意者Cに売却し、さらにCが甲土地を悪意者Dに売却した場合に、第一買主Bは、背信的悪意者Cからの転得者であるDに対して登記をしていなくても所有権の取得を対抗できる。

【解説】

A→B
A→C→D

ご承知の通り、背信的悪意者には、登記の有無に関係なく対抗することが可能ですから、BはCに対して、登記がなくても対抗できます。

では、Cが背信的悪意者ではなく、ただの悪意者(Bに売却したことを知っていた)だったと考えた場合、どうでしょうか? 二重売買の場合、Cが悪意の第三者であっても、善意の第三者であっても同じで、BCのどちらに登記があるかで決まります。
つまり、悪意の第三者に対しても、登記なくして対抗できないのです。

では、改めて記述を見てみましょう。
Bは背信的悪意者Cには、登記がなくても対抗できます。
ですが、Cからの転売者Dは、背信的悪意者ではなく、ただの悪意者となっていますから、前述したように、登記がなければ対抗することができないとなるのです。
従って、記述は妥当ではありません。

 

3. × 妥当でない

【問題】

Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却し、Bは、その後10年以上にわたり占有を継続して現在に至っているが、Bが占有を開始してから5年が経過したときにAが甲土地をCに売却した場合に、Bは、Cに対して登記をしなくては時効による所有権の取得を対抗することはできない。

【解説】

Bは、甲土地を買って、占有期間が10年を超えていますから、取得時効を満たしています。さらに、AはBが占有を始めてから5年後にCに甲土地を二重に売却しています。
と言うことは、CはBの取得時効完成に現れた第三者だと言うことがわかります。

もう、お分かりだと思いますが、時効完成に現れた第三者に対しては、Bは登記なくして対抗できますので、記述は誤りです。

詳しい解説は、こちらの肢3をご覧ください。

 

4. 〇 妥当

【問題】

Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却したが、同売買契約が解除され、その後に、甲土地がBからCに売却された場合に、Aは、Cに対して、Cの善意悪意を問わず、登記をしなくては所有権の復帰を対抗することはできない。

【解説】

A→B→Cと甲土地が売却されていますから、Aから見てCは第三者に当たります。
と言うことは、登記が対抗要件となります。AB間の契約解除が詐欺や強迫による瑕疵ある意思表示であるとは、特に記載がありませんので、契約上での解除要件によるものだとなります。

ですから、Cの善意悪意を問わず、Aは、Cに対して、登記をしなくては所有権の復帰を対抗することはできないとなります。

 

5. × 妥当でない

【問題】

Aの所有する甲土地につきAがBに対して遺贈する旨の遺言をして死亡した後、Aの唯一の相続人Cの債権者DがCを代位してC名義の所有権取得登記を行い、甲土地を差し押さえた場合に、Bは、Dに対して登記をしていなくても遺贈による所有権の取得を対抗できる。

【解説】

わたしは、この判例には納得できないのですが、相続人Cと受遺者Bは、第三者の関係にあるとして、Bは、Dに対して登記がなければ遺贈による所有権の取得は対抗できないとしています。

 

以上より、解答はでした。 

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