宅建過去問【1991】 平成3年 問11 民法(売主の担保責任) 問題と解説

宅建過去問 H3年 問11 民法(売主の担保責任) 問題

AがBからBの所有地を買い受ける契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、Aがその善意悪意に関係なく契約を解除することができるものは、どれか。

  1. その土地の一部が他人のものであって、BがAに権利を移転することができず、残りの土地だけではAが買うことができないとき。
  2. その土地の全部が他人のものであって、BがAに権利を移転することができないとき。
  3. その土地に隠れた瑕疵があり、契約の目的を達成することができないとき。
  4. その売買が実測面積を表示し、単価を乗じて価格が定められている場合において、その面積が著しく不足していたとき。



宅建過去問 H3年 問11 民法(売主の担保責任) 解説

売主の担保責任早見表(参考)

 担 保 責 任 早 見 表 損害賠償請求 契約解除 代金減額請求
全部他人物 善 意 ×
悪 意 × ×
一部他人物 善 意
悪 意 × ×
数量不足 善 意
悪 意 × × ×
用益権が付着 善 意 ×
悪 意 × × ×
担保権が付着 善 意 ×
悪 意 ×
隠れた瑕疵 善 意 ×
悪 意 × × ×

 

1. 善意の場合のみ契約解除

【問題】

AがBからBの所有地を買い受ける契約を締結した。

その土地の一部が他人のものであって、BがAに権利を移転することができず、残りの土地だけではAが買うことができないとき。

【解説】

例えば、Bの土地100㎡が1,000万円だったとしましょう。
その内の30㎡が他人の土地だったと買主Aが知らなかった場合、あなたがAになったつもりで考えてみてください。

善意のAは、100㎡が1,000万円の価値だと考えて、契約を結んでいるはずです。
それが70㎡しかないとなれば、話が違うじゃないかと怒ると思います。
ですから、善意のAには、減額請求や契約解除もしくは損害賠償請求をする権利が与えられています。

これが逆にAが30㎡が他人の土地だったと知っていたとしたらどうでしょうか?
Aはきっとこう考えていたと思います。
Bが30㎡の所有者と話を付けて自分に売ってくれるだろう、もし、30㎡の引渡しができなかったら、その分、減額させればいいだけだと。
そうなんです、悪意の買主は、100㎡をできたら欲しいが、最悪70㎡でもいいと考えてBと契約しているはずですから、契約解除や損害賠償はできないとなりますが、70㎡しか引渡せない場合には、1,000万円の価値がないのですから、その分の減額は請求することは可能です。

 

2. 善意悪意問わず契約解除

【問題】

AがBからBの所有地を買い受ける契約を締結した。

その土地の全部が他人のものであって、BがAに権利を移転することができないとき。

【解説】

100㎡の土地があれば、そのすべてがBの所有ではなかったとき、その事実を知らないAは、当然、怒るでしょう。契約はしたが、Aに所有権は行かないのですから、契約解除するしかありませんし、善意のAは、所有権が移る前提でBと契約していますから、損害が発生するかも知れませんので、その請求も行うことが可能となります。

そして、Aが悪意の場合でも、Aに所有権は行かないのですから、契約解除するしかありません。ただ、悪意のAは、その土地全部が他人物だと知っていますから、もしかしたら、自分の物にはならないかも知れないと予測することができます。予測ができれば、確実に自分の物になるまで何もしないはずですので、損害も出ないと考えられるため、損害賠償請求はできないとなります。

 

3. 善意の場合のみ契約解除

【問題】

AがBからBの所有地を買い受ける契約を締結した。

その土地に隠れた瑕疵があり、契約の目的を達成することができないとき。

【解説】

土地に隠れた瑕疵があることを知らないで土地を買ったAは、当然、瑕疵がないことを前提に、その土地の対価を支払っているはずです。それなのにその瑕疵のおかげで土地に家を建てる等の目的が達せられないのであれば、Aがあまりにかわいそうです。
ですから、契約の目的を達成することができないときは、契約の解除ができます。

また、Aが瑕疵について悪意の買主だとすれば、それは隠れた瑕疵とは言いませんので、もちろん契約の解除はできません。

 

4. 善意の場合のみ契約解除

【問題】

AがBからBの所有地を買い受ける契約を締結した。

その売買が実測面積を表示し、単価を乗じて価格が定められている場合において、その面積が著しく不足していたとき。

【解説】

例えば、1㎡=5万円として、100㎡を買うと言った契約をAB間でしたとしましょう。
Aが土地の引渡しを受けた後、土地の面積を実測したところ70㎡しかなかったとしたら、この場合、Aが善意であれば、減額請求又は契約解除、更には損害賠償も認められています。

そして、Aが70㎡しかないとわかっていながらBと契約したのなら、これは文句を言う余地がありませんので、契約解除はもちろん、減額請求や損害賠償請求もできません。

 

以上より、解答はでした。 
関連過去問      
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平成19年 問11 平成15年 問10 平成14年 問7 平成11年 問10
平成8年 問8 平成5年 問8 平成4年 問5 平成3年 問11

宅建の民法を勉強する上で、必ず行うテーマからの出題ですから、この問題は間違うわけにはいきません。

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平成3年(1991年)宅建試験 正解一覧

科目 解答 難易度 重要度
№2 民法(強迫) 普通
№3 民法(代理)
№4 民法(対抗関係)
№5 民法(共有)
№6 民法(連帯債務)
№7 民法(担保物権) 普通
№8 民法(買戻し)
№9 民法(弁済) 普通
№10 民法(贈与)
№11 民法(売主の担保責任)
№12 借地借家法(借地) 普通
№13 借地借家法(借家)
№15 不動産登記法
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№18 都市計画法 普通
№19 都市計画法 普通
№20 都市計画法(開発許可)
№21 建築基準法(建築確認)
№23 建築基準法(建ぺい率,容積率)
№24 建築基準法(第二種中高層住居専用地域内) 普通
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№38 宅建業法(届出)
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№40 宅建業法(宅建士証)
№41 宅建業法(報酬) 普通
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№43 宅建業法(保証協会)
№44 宅建業法(媒介契約)
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№48 宅建業法(保証協会)
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