宅建過去問【1990】 平成2年 問3 民法(貸金) 問題と解説

宅建過去問 H2年 問3 民法(貸金) 問題

AのBに対する貸金(返済の時期は定めていない。)に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. AがBに対する貸金債権をCに譲渡した場合、Cは、その旨をBに確定日付のある証書で通知しなければ、第三者に対抗することができない。
  2. Aの貸金債権の消滅時効は、Aの催告の有無にかかわらず、貸し付けたときから起算される。
  3. 返済の場所を定めていない場合において、Aが住所を移転したときは、Bは、Aの新たな住所で返済しなければならない。
  4. Bは、Aにいつでも返済することができるが、Aが返済を請求するには、相当の期間を定めて催告しなければならない。



宅建過去問 H2年 問3 民法(貸金) 解説

 

1. × 誤り

【問題】

AのBに対する貸金(返済の時期は定めていない。)

AがBに対する貸金債権をCに譲渡した場合、Cは、その旨をBに確定日付のある証書で通知しなければ、第三者に対抗することができない。

【解説】

例えば、あなたが債務者Bだとした場合、債権がCに譲渡されたことを全く知らなくて、突然Cから次回からこちらに返済するようにって通知が来たらどう感じますか?

わたしだったら、何で見も知らずの人に返済しなくちゃいけないのってなります。

ただ、債権者Aから、債権をCに譲渡したから、次回からこちらに返済するようにって通知が来れば、Cに返済せざるを得ないですね。

ですから、Cからの通知では、債務者及び債務者以外の第三者は対抗できますので、記述は誤りとなります。

債務者以外の第三者に対抗するには、譲渡人から債務者に対して確定日付のある証書によって通知をするか、もしくは、債務者が確定日付のある証書によって承諾をしなければなりません。

 

2. 〇 正しい

【問題】

AのBに対する貸金(返済の時期は定めていない。)

Aの貸金債権の消滅時効は、Aの催告の有無にかかわらず、貸し付けたときから起算される。

【解説】

AのBに対する貸金債権は、「返済の時期を定めていない」となっています。
つまり、いつ返済してもいいですし、いつ返済の請求をしてもいいと言うものです。

そして、消滅時効の出発点はと言いますと、権利が行使できるときからです。

と言うことは、返済時期を定めていない貸金債権の消滅時効は、権利を行使できるときからスタートすることになりますから、貸し付けたときから起算されるとなります。
従って、記述は正しいとなります。

宅建試験においては、ここまで覚えていれば十分です。

以下は、行政書士等の受験を考えている方は知識として持っておいてください(宅建試験では必要ない知識です)。

民法591条1項に、当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができるとなっています。と言うことは、債権者が権利行使できるのは、相当の期間を定めた以降だから、消滅時効の起算点も相当の期間を定めた以降としなければ、おかしいのではというのが、通説となっています。

また、常識的に考えれば、お金を貸して、即お金を返せなんて言う契約は成り立たないはずだから、一定期間が過ぎた後でなければ返還請求はできないとする591条の趣旨から考えると、消滅時効の起算点とするのが合理的だとしています。

ただ、通説を消滅時効の起算点だとすると、債権者が相当の期間を定めて返還の催告をしなければ、消滅時効はスタートしないことになってしまいます。これは債権者に有利に働くことになってしまいますから、不合理だともいえます。

以上のように、判例と通説は激しくぶつかっている論点ですが、多くは通説を支持しているようです。

 

3. 〇 正しい

【問題】

AのBに対する貸金(返済の時期は定めていない。)

返済の場所を定めていない場合において、Aが住所を移転したときは、Bは、Aの新たな住所で返済しなければならない。

【解説】

民法では、484条に「弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない」となっていますので、記述の場合は、債権者Aの移転先の住所で返済することになります。

 

4. 〇 正しい

【問題】

AのBに対する貸金(返済の時期は定めていない。)

Bは、Aにいつでも返済することができるが、Aが返済を請求するには、相当の期間を定めて催告しなければならない。

【解説】

記述の通りです。
当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、いつでも返還をすることができますが、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をしなくてはいけません。

 

1
以上より、解答はでした。 
関連過去問      
平成20年 問8 平成18年 問8 平成17年 問7 平成16年 問4
平成12年 問9 平成11年 問5 平成5年 問6 平成3年 問9

肢2の論点は、非常に難しいです。違う国家試験では、通説を正解としていたりしますが、宅建では深く考えずに「貸し付けたときから起算」すると回答すれば大丈夫です。

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平成2年(1990年)宅建試験 正解一覧

科目 解答 難易度 重要度
№2 民法(損害賠償額の予定)
№3 民法(貸金)
№4 民法(制限行為能力,意思表示)
№5 民法(代理)
№6 民法(抵当権) 普通
№7 民法(連帯保証等) 普通
№8 民法(契約の解除) 普通
№9 民法(賃貸借) 普通
№10 民法(抵当権) 普通
№11 民法(相続) 普通
№12 借地借家法 普通
№13 借地借家法(借家) 普通
№14 区分所有法
№15 不動産登記法
№16 不動産登記法
№17 国土利用計画法 普通
№18 国土利用計画法
№19 都市計画法 普通
№20 都市計画法(開発許可)
№21 建築基準法(建築確認)
№22 建築基準法(防火・準防火地域)
№23 建築基準法(容積率・建ぺい率)
№24 建築基準法(第一種低層住居専用地域)
№25 宅地造成等規制法 普通
№26 農地法 普通
№27 土地区画整理法 普通
№28 混合問題
№30 印紙税
№31 不動産取得税
№32 地価公示法
№34 景品表示法
№35 宅建業法(宅建士)
№36 宅建業法(営業保証金)
№37 宅建業法(宅建士の登録) 普通
№38 宅建業法(従業者名簿・帳簿)
№39 宅建業法(宅建士証)
№40 宅建業法(宅建業者が自ら売主)
№41 宅建業法(変更の届出) 普通
№42 宅建業法(手付金等の保全措置) 普通
№43 宅建業法(廃業等の届出)
№44 宅建業法(監督処分)
№45 宅建業法(マンションに関する重説)
№46 宅建業法(案内所の届出)
№47 宅建業法(混合問題)
№48 宅建業法(報酬計算)
№49 宅建業法(37条書面記載事項)
№50 宅建業法(保証協会)

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