宅建業者が受取れる報酬について【売買・交換編】

canvas本日の報酬についてのお話は、
皆さん興味がある内容ではないでしょうか?

試験でも出題頻度が多いですし、当然実務で報酬について
知らないという方は、まずいませんから、
しっかり勉強してください。

既に実務をやっている方は、確認の意味で見てください。




最初に確認しておきたいことは、
この宅建業法では、宅建業者が受領できる報酬限度額(上限)を
定めています。

報酬上限額を定めているだけですので、
この業法で定める報酬以下の額を設定することは、
自由に行えるということです。

また宅建業者は、報酬とは別に取引に要した経費(広告費等の名目)を
依頼者に請求することもできません。

ただし、依頼者からの依頼があった場合は、
その経費は報酬とは別に受領することができます。
(例えば物件の広告を売主が不動産屋に出せと依頼した時などその広告費)

そして、大きく分けて売買(交換)と賃貸では報酬の計算が違います。
そこで、本日は、まず売買(交換)に関して、ご説明します。

1.売買の媒介での報酬限度額

売買の媒介報酬の限度額は、以下の表を見てください。
この表は、絶対暗記です!
平成30年1月1日より一部報酬規程が変更されます→詳細はこちらで

売買価格 報酬限度額
① 0円~200万円 × 5%
② 201万円~400万円 × 4%+2万円
③ 401万円~ × 3%+6万円

例えば、売買価格が1,000万円の物件の媒介で得られる報酬は、
1,000万円は401万円より上ですから、上記表の③となります。

売買価格1,000万円 × 3% + 6万円 = 36万円←これが媒介報酬

また、A業者が物件の売主Bと媒介契約を結び、
更に、その物件の買主Cとも媒介契約を結んでいたとしましょう。
つまり、A業者は、同一物件に2つの媒介契約を結んでいると言うことです。

と言うことは、この物件を成約できれば、媒介報酬を売主と買主の
両方からいただけることになります。

先ほどの例で言えば、36万円と言う媒介報酬を、売主から36万円、
買主から36万円、合計72万円もらえると言うことです。

 

もう一つ、例題を見ましょう。

A業者は、甲物件(価格1,000万円)の売主であるBと媒介契約を結んでいます。
甲物件をDが買いました。
買主Dは、業者Cと媒介契約を結んでいました。
この場合の、媒介報酬は?

A業者は、売主B媒介契約をしているのですから、
その媒介報酬は、売主Bからいただくことになります。
売買価格1,000万円 × 3% + 6万円 = 36万円←これがAの媒介報酬

C業者は、買主Dと媒介契約を結んでいるのですから、
その媒介報酬は、買主Dからいただくことになります。
売買価格1,000万円 × 3% + 6万円 = 36万円←これがCの媒介報酬

2.売買の代理での報酬限度額

媒介と違い、売主・買主の双方を代理することはできません。(詳細はこちら
ですから、媒介のように1の物件を成約させて、売主・買主の双方から
報酬を得ると言うことは、ないことになります。

ですが、媒介と代理を比較した場合、契約行為まで行う、代理の方が
はるかに業者としての責任は重いとなります。
ですから、媒介報酬の2倍が、代理報酬の限度額となっています。

例えば、甲土地(売買価格1,000万円)の売主Aと業者Bが代理契約を結んで、
業者Bが買主Cと売買契約を成立させた場合、

業者Bは、売主Aから代理報酬として、
売買価格1,000万円 × 3% + 6万円 = 36万円
36万円 × 2 =72万円←これがBが受取る報酬

但し、買主Cが、報酬を支払ってもいいと承諾すれば
業者Bは、買主Cからも報酬を受けることができます。
しかし、売主Aからもらう報酬と、買主Cからもらう報酬の合計が、
72万円を超えてはいけません。

つまり、業者Bは、どちらにしても72万円を超える報酬は
手にできないと言うことです。

3.交換の媒介・代理での報酬限度額

1,000万円の土地を、売買するのも交換するのも、宅建業者にしてみれば、
契約相手を見つけることに、変わりはありません。
ですから、交換についても、売買の媒介・代理報酬と全く同じです。

例えば、1,000万円の甲土地(所有者A)と1,000万円の乙土地(所有者B)の
交換の契約を、業者Cが成立させた。
業者Cは、1000万円を売買金額とみなして、報酬計算をします。

① 業者Cが、所有者AとB、どちらも交換の媒介契約をしていたのなら、

1,000万円 × 3% + 6万円 = 36万
36万円をAからも、Bからもいただけるため、合計72万円となります。

② 業者Cが、所有者Aだけしか、交換の媒介契約を結んでいなかったのなら

1,000万円 × 3% + 6万円 = 36万
36万円をAからいただけることになります。

もし、交換する物件の価格に差がある場合は、
高い方の価格を、報酬計算の基礎としてください。

例えば、800万円の土地と1,000万円の土地の交換なら、
1,000万円を売買価格とみなして、報酬計算することになります。

4.消費税について

これまで、報酬計算する際は、売買価格を報酬の基礎としてきました。

その売買価格に、消費税が含まれている場合は、その消費税を除いた価格を
報酬計算の基礎としなければいけません。

そして、宅建業を行おうとする方なら、知っていてもらいたいのですが、

  • 土地の売買や交換の価格には、消費税はかかりません
  • 建物の売買や交換の価格には、消費税がかかります

ですから、問題に、売買価格2,080万円税込(土地1,000万円、建物1,080万円)
の物件の媒介で、契約を成功させた場合の一方から受け取れる報酬限度額を
訊かれたら、

いきなり、2,080万円×3%+6万円なんて計算をしたらダメだとなります。

まず、土地には、消費税がかからないのですから、
何も考える必要はありません。
1,000万円そのままです。

問題は建物です。1,080万円 ÷ 1.08(消費税8%)= 1,000万円
として、消費税分を除いてやらなければいけません。

土地1,000万円、建物1,000万円、合計2,000万円として計算します。
売買価格2,000万円×3%+6万円=66万円

そして、宅建業者が受取る報酬には、消費税の課税業者には、
消費税分を加算して、請求することができます。

66万円×1.08(消費税8%)=71万2800円←これが一方からの報酬限度額

売主・買主双方から報酬がもらえるのであれば、
71万2800円×2=142万5600円←これが報酬限度額

では、消費税の非課税業者は、全く上乗せできないのかと言えば、できます。
非課税業者であっても、広告代などの営業活動の中で、
消費税を負担させられているため、その負担分を取り戻してください
と言うことで、3.2%が上乗せできます。

66万円×1.032=68万1,120円←これが一方からの非課税業者の報酬限度額

売主・買主双方から報酬がもらえるのであれば、
68万1,120円×2=136万2,240円←これが非課税業者の報酬限度額

  • 消費税が非課税である土地のみの売買や交換であっても、媒介や代理報酬には消費税分を上乗せできます。

5.代理と媒介業者が混在する報酬

例題を上げて見て行きます。

非課税業者Aは、売主Bから売買の媒介を受けた。
課税業者Cは、買主Dから売買の代理を受けた。
物件価格は税込みで、2,080万円(土地1,000万円、建物1,080万円)

消費税抜きの価格を計算
土地は、そのまま1,000万円
建物は、1,080万円 ÷ 1.08(消費税8%)= 1,000万円

売買価格の税抜は、1,000万円(土地)+1,000万円(建物)=2,000万円

② 業者が1しかないと仮定して、媒介・代理の報酬限度額を計算

税抜物件価格2,000万円×3%+6万円=66万円
66万円×2=132万円

そして、132万円に消費税分を上乗せして、
132万円×1.08=142万5600円

この物件の売買に当たって、142万5600円が報酬の限度額となります。
宅建業者が、何社入って、報酬を得ようとしても、
142万5600円を分けると言う考え方です。

非課税業者Aの媒介報酬の限度額
税抜物件価格2,000万円×3%+6万円=66万円
非課税業者でも3.2%上乗せできるため、66万円×1.032=68万1,120円

この68万1,120円が非課税業者Aが、売主Bから受けられる報酬限度額となります。

課税業者Cの代理報酬の限度額
税抜物件価格2,000万円×3%+6万円=66万円
代理は2倍できるため、66万円×2=132万円
消費税分を上乗せ、132万円×1.08=142万5600円

この142万5600円課税業者Cが、買主B、承諾があれば売主Aから受けられる
報酬限度額となります。

⑤ 回答

  • 非課税業者Aの報酬は、68万1,120円以内で、かつ、課税業者Aとの合計報酬額が142万5600円以内でなければいけません。
  • 課税業者Cの報酬は、142万5600円以内で、かつ、非課税業者Aとの合計報酬額が142万5600円以内でなければいけません。

つまり、非課税業者Aが媒介報酬を売主Bから、68万1,120円受けたとしたら、
課税業者Cは、買主Dから、142万5600円-68万1,120円=74万4,480円までしか
報酬を受けてはダメだとなるのです。

逆に、課税業者Cが、買主Dから、142万5600円を受けてしまえば、
非課税業者Aは、142万5600円-142万5600円=0円で、報酬なしだとなります。

関連過去問(売買)      
平成30年 問31 平成26年 問37 平成25年 問37 平成24年 問35
平成21年 問41 平成18年 問43 平成16年 問41 平成10年 問40
平成7年 問46 平成6年 問48 平成5年 問50 平成4年 問50

本日は、ここまでです.
賃貸の報酬規程はこちら
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6件のコメント

  • 尾長001

    先生に訂正のお願いが、あります。

    非課税業者Aの媒介報酬の限度額なのですが4%⇒3.2%ではないですか?
    2016年9/24時点・・・・免税事業者は3.2%
    よろしくおねがいします。

    • ご指摘ありがとうございます。
      ありがたく、訂正させていただきます。

  • わたり

    いつも拝見させて頂いております。

    質問させていただきます。
    課税事業者は納税分として8%上乗せて請求できるというもは理解できるのですが、
    非課税事業者が3.2%上乗せて請求できるというところが理解できないです。

    宜しくお願いいたします。

    • ご質問ありがとうございます。

      非課税事業者が3.2%上乗せで請求できることを『みなし仕入れ率』と言っています。みなし仕入れ率については、調べてもらえればすぐわかりますので、ここでは詳細な説明は省略させていただきます。

      みなし仕入れ率は、業種別に国が定めますので、今後、変わる可能性もありますが、現状、消費税8%では非課税宅建業者は3.2%、消費税10%になったときは非課税宅建業者は4.0%になる予定です。

      あまり考えすぎずに、単純に非課税宅建業者は3.2%上乗せできると覚えておいてください。

      なお、問題で「みなし仕入れ率を考慮しない等」の表現が入れば、3.2%上乗せの計算は必要ありません。

  • いつも大変お世話になっております。
    下記の文章について質問がありましたので、ご指導お願いいたします。
    ⑤ 回答
    「非課税業者Aの報酬は、68万1,120円以内で、かつ、課税業者Aとの合計報酬額。。。」と書かれていますが、なぜ課税業者Aとの合計報酬額が142万5600以内でないといけないでしょうか、
    非課税業者Aは売主Bから、課税業者Cは買主Dからそれぞれの報酬を限度までもらえるのではないでしょうか。また、「つまり、非課税業者Aが媒介報酬を売主Bから、68万1,120円受けたとしたら、。。。」と書かれていますが、Cが代理の報酬額を上限で貰うだけで、相手が報酬0になるとのことですか

    • ご質問ありがとうございます。

      なぜ課税業者Aとの合計報酬額が142万5600以内でないといけないでしょうか?
      ②に記載の通りとなります。

      代理の報酬限度額は、媒介報酬の2倍が上限とされています。
      ですから、Cが代理の報酬額の上限を貰うとAは報酬を売主Bから受け取ることはできないとなります。受取れば業法違反です。

      以上です。
      参考にしてください。

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