借地 その1【借地借家法】

canvas本日は、借地借家法の借地について
お話します。

定義や数字が、多く出てきますので
混乱しないよう注意してください。

 




1.借地権とは

借地権とは、建物所有を目的にとする、地上権または
土地賃貸借権のことを言います。

ちなみに地上権と賃借権の違いは、何でしょうか?

正解は、地上権は物件で、賃借権は債権になります。
忘れちゃったって方は、こちらで復習しておいてください。

債権とは、お金を貸した者が借り手に対して、その返還を請求する権利などをいいます。

物件とは、人が物を直接的に支配できる権利のことです。
民法では、所有権をはじめ、占有権、地上権などの10の権利を指定していますが、
民法以外の法律でも物件として指定されている権利がございます。

これを踏まえて、賃借権と地上権の違いを見ると、

賃借権は、賃貸人の承諾を得て土地を間接的に支配する権利となります、
逆に、地上権は、土地を直接的に支配できる権利となります。

ですから、賃借権を登記したい、第三者へ譲渡、賃貸したいと言った場合は、
全て地主の承諾が必要となります。
これに対して、地上権は地主の承諾を必要とはしません。

以上から、地上権は強力な権利だとわかっていただけたと思いますが、
一般的に借地権で地上権を設定しているケースはほとんどありませんので、
一般的に借地権と言えば賃借権を指します。

賃借権は、民法では地上権に比べ弱い権利となりますが、
その分、借地借家法により強力に保護がされているため、
地上権と遜色ない程度の権利となっています。

借地借家法では、地主などの貸主を借地権設定者と言い
借主を借地権者と言っています。

なお、借地契約は、事業用,居住用どちらも問いません。
また契約の形態も問われませんので、念のため(口頭でもOK)

 

2.借地権の存続期間

当事者間で、借地権の存続期間を決めなかった場合、
自動的に30年とされます(法定期間)

また、30年より長い期間を、定めた場合は、
その期間とします。

但し、30年より短い期間を定めても、30年となりますので
注意してください。

つまり、最低30年だと言うことです。

(ちなみに民法の賃借権は、最高20年でした。)

 

3.借地権存続中に、建物が滅失した場合

借地権の目的は、建物を所有するためのものです。
では、その借地権が存続している期間中に
建物が、火災などで滅失した場合、借地権はどうなるでしょうか?

これは、借地権は期間が満了するまでなくなることはありません。

借地権存続期間中に、どんな理由で建物が滅失しても
借地権は残ります。

注意したいのが、借地権者が、建物もないのに地代を
払うのがもったいないと言う理由で、一方的に借地権設定者に対して
借地権の消滅を申し入れることが出来ないと言う点です。

借地権設定者にしても、最低でも30年分の地代を
あてにしてたはずですから、借地権存続期間中は出来ないことになります。

 

4.借地権の更新

借地権の期間が満了した場合には、
更新することが出来ます。

更新後の借地権の存続期間(法定期間)は、

一回目(初めて)の更新⇒更新の日から20年

二回目以降の更新⇒更新の日から10年

このようになります。
当然存続期間と同じで、当事者間で法定更新期間より
長い期間を、定めた場合は、その期間となります。

逆に法定更新期間より短い期間を定めても、
法定更新期間となります。

また、借地権の存続期間前に、借地権者が借地権設定者の承諾を
受けて、借地権の残存期間を超えるような再築した場合は、
再築を承諾した日もしくは、再築日のどちらか早い方から20年間となります。

また、借地権設定者に対して再築を通知し、2か月以内に
借地権設定者が、異議を述べない場合、承諾したものみなされます。

宅建に試験において、再築を増築と書いて、引っ掛けてきますので
増築の場合は、更新されませんので注意してください。

では、借地権設定者の承諾を受けずに無断で再築した場合は
どうなるでしょうか?

この場合は、借地権設定者が更新に応じない限り
更新されることはありません。

ただ、借地権者が勝手に再築した建物ではありますが、
借地権設定者に対して、建物を時価で買い取るように
建物買取請求権を行使することができます。

借地権設定者は、建物買取請求を拒むことが出来ないように
なっていますので、建物を時価で買い取ることになります。

 

5.更新の拒絶

借地上に現に建物が存在している場合に、
借地権者から更新の請求があれば、原則、借地権設定者は、
更新に応じなければならないのですが、

更新を拒絶したい場合は、更新請求後、遅滞なく
異議を述べる必要があります。

但し、異議を述べる場合、正当な事由が必要となりますから
覚えておいてください。

建物が存在しない場合は、借地借家法の適応外となり
民法が適用されます。

民法の賃借権更新拒絶の要件は、正当な事由は必要なく、
異議さえ述べれば、更新を拒絶が可能です。

なお、正当な事由がどんなものかについては、
宅建試験では、問われませんのでここでは省略します。

では、借地権設定者から、正当事由にもとづいて、
遅滞なく異議を述べた場合は、
更新は出来なくなってしまいます。

この場合、建物が残ってしまいますが
この建物を時価で買い取るように、借地権者は借地権設定者に対して
請求することができます。(建物買取請求権

借地権設定者は、この建物買取請求を拒むことができませんので
建物を時価で買い取ることになります。

 

6.更新後に建物が滅失した場合

借地権存続期間中に、建物が滅失しても
借地権者が、一方的に借地権設定者に対して
借地権の消滅を申し入れることが出来ないと、上記でお話しましたが、

更新後の建物滅失の場合は、それができることになります。

逆に、借地権設定者の方からは、申し入れができませんので
注意しておいてください。

借地権設定者の方から、借地権の消滅の申し入れができる場合は、
一つだけで、借地権設定者に無断で建物を再築した場合に限られます。

繰り返しになりますが、借地権の消滅の申し入れができるのは
更新後だけですから、借地権存続期間中はできないと覚えておいてください。

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平成7年 問12 平成6年 問11 平成5年 問11 平成4年 問10
平成3年 問12

本日はここまで!

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2件のコメント

  • 板垣

    更新後の建物滅失による借地権消滅の申し入れは、1度でも更新したことがあるならいつでも借地権者からできるという認識でよろしいでしょうか?

    • はい
      その認識で構いません。

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