宅建試験でも出るかも? マンション管理士 過去問 H17-17 民法(共同不法行為) 問題と解説

宅建と兄弟資格でもあるマンション管理士試験ですから、
その過去問については、宅建試験で問われても何ら不思議ではありません。

難易度レベルもほぼ変わりありませんので、
腕試しのつもりで、ぜひ、挑戦して見てください。

マンション管理士 過去問 H17-17 民法(共同不法行為) 問題

甲マンションの隣地の居住者Aは、甲マンションの一階で営業しているカラオケ店から漏れる音がうるさいので、店主に対して再三その改善の申入れをしたものの一向に改善されなかったため、知人のB、C及びD(18歳)をそそのかして、Bが見張りをしている間に、C及びDをしてカラオケ店の外壁に広範囲にわたりペンキで落書きをさせて甲マンションの区分所有者に損害を与えた。この場合のAないしDの当該区分所有者に対する不法行為責任に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、A、B及びCは、成年とする。

  1. Aは、騒音被害を受けていたとしても、Cと同様の損害賠償責任を負う。
  2. Bは、Cの損害賠償責任より軽減される。
  3. Cは、落書きをした範囲を問わず、損害の全額につき損害賠償を負う。
  4. Dは、Cと同様の損害賠償責任を負う。



マンション管理士 過去問 H17-17 民法(共同不法行為) 解説

 

1. 〇 正しい

【問題】

甲マンションの隣地の居住者Aは、甲マンションの一階で営業しているカラオケ店から漏れる音がうるさいので、店主に対して再三その改善の申入れをしたものの一向に改善されなかったため、知人のB、C及びD(18歳)をそそのかして、Bが見張りをしている間に、C及びDをしてカラオケ店の外壁に広範囲にわたりペンキで落書きをさせて甲マンションの区分所有者に損害を与えた。

Aは、騒音被害を受けていたとしても、Cと同様の損害賠償責任を負う。

【解説】

Aは、BCDを「そそのかして」となっていますから、教唆した者となります。
行為者を教唆した者及び幇助した者は、共同不法行為者とみなされ、連帯してその損害を賠償する責任を負うことになります(民法719条)。

また、Aが、騒音被害を受けていたから、共同不法行為者とみなされないという理屈は、成り立ちませんから、Aは、騒音被害を受けていたとしても、Cと同様の損害賠償責任を負うとなります。

 

2. × 誤り

【問題】

甲マンションの隣地の居住者Aは、甲マンションの一階で営業しているカラオケ店から漏れる音がうるさいので、店主に対して再三その改善の申入れをしたものの一向に改善されなかったため、知人のB、C及びD(18歳)をそそのかして、Bが見張りをしている間に、C及びDをしてカラオケ店の外壁に広範囲にわたりペンキで落書きをさせて甲マンションの区分所有者に損害を与えた。

Bは、Cの損害賠償責任より軽減される。

【解説】

Bは見張り役ですから、ペンキの落書きを実行したCDを幇助した者となります。
行為者を教唆した者及び幇助した者は、共同不法行為者とみなされ、連帯してその損害を賠償する責任を負うことになります(民法719条)ので、BとCは同じ損害賠償責任を負うことになります。

 

3. 〇 正しい

【問題】

甲マンションの隣地の居住者Aは、甲マンションの一階で営業しているカラオケ店から漏れる音がうるさいので、店主に対して再三その改善の申入れをしたものの一向に改善されなかったため、知人のB、C及びD(18歳)をそそのかして、Bが見張りをしている間に、C及びDをしてカラオケ店の外壁に広範囲にわたりペンキで落書きをさせて甲マンションの区分所有者に損害を与えた。

Cは、落書きをした範囲を問わず、損害の全額につき損害賠償を負う。

【解説】

ABCDは、共同不法行為者ですから、各自がすべての損害について連帯して責任を負います。

従って、Cは、落書きをした範囲を問わず、損害の全額につき損害賠償を負となります。

 

4. 〇 正しい

【問題】

甲マンションの隣地の居住者Aは、甲マンションの一階で営業しているカラオケ店から漏れる音がうるさいので、店主に対して再三その改善の申入れをしたものの一向に改善されなかったため、知人のB、C及びD(18歳)をそそのかして、Bが見張りをしている間に、C及びDをしてカラオケ店の外壁に広範囲にわたりペンキで落書きをさせて甲マンションの区分所有者に損害を与えた。

Dは、Cと同様の損害賠償責任を負う。

【解説】

ABCDは、共同不法行為者ですから、各自がすべての損害について連帯して責任を負いますので、記述の通り、Dは、Cと同様の損害賠償責任を負います。

なお、Dは未成年者で18歳となっています。
未成年者の場合、民法で行為能力が劣るとして保護されていますが、民法709条には、故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負うと規定されており、損害賠償責任を負うためには、加害者の行為能力ではなく、責任能力の有無が問われます。

責任能力については、民法712条において、未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わないと規定しており、つまり、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えている未成年者は責任能力があるとして、損害賠償責任を負うことになるのです。その判断ですが、12から13歳の中学生程度の知識があれば、責任能力は有りとされますので、18歳の高校生であれば十分責任能力ありとなります。

 

以上より、解答はでした。 

Dが18歳で未成年者と言うところが迷ったかもしれませんが、不法行為の責任能力については、成年と同じだと言うことを頭の片隅にでも置いておいてください。

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