宅建試験でも出るかも? マンション管理士 過去問 H16-17 民法(不法行為) 問題と解説

宅建と兄弟資格でもあるマンション管理士試験ですから、
その過去問については、宅建試験で問われても何ら不思議ではありません。

難易度レベルもほぼ変わりありませんので、
腕試しのつもりで、ぜひ、挑戦して見てください。

マンション管理士 過去問 H16-17 民法(不法行為) 問題

甲マンション(管理組合A)の区分所有者が甲マンションにおいて事故により負傷した場合の損害賠償責任に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 事故がAが請負業者Bに発注した外壁タイル改修工事の施工中のタイルの落下によるものであるときは、Bが責任を負い、Aが責任を負うことはない。
  2. 事故が甲マンションの管理受託業者から清掃業務を請け負った業者Cの社員が電動掃除機の操作を誤ってけがをさせたものであるときは、Cが責任を負い、Aが責任を負うことはない。
  3. 事故が区分所有者Dがベランダで引越荷物の整理中に生じた物品の落下によるものであるときは、Dが責任を負うが、Aが責任を負うこともある。
  4. 事故が甲マンションの駐車場のゲートの開閉不良によるものであるときは、Aが責任を負い、区分所有者全員が責任を負うことはない。



マンション管理士 過去問 H16-17 民法(不法行為) 解説

 

1. × 誤り

【問題】

甲マンション(管理組合A)の区分所有者が甲マンションにおいて事故により負傷した場合。

事故がAが請負業者Bに発注した外壁タイル改修工事の施工中のタイルの落下によるものであるときは、Bが責任を負い、Aが責任を負うことはない。

【解説】

常識的に考えれば判断がつくと思います。
請負業者Bが、業務に関しての失敗を注文者が尻拭いするなんて、誰が考えても納得できません。業務に関しての失敗は、当然、仕事をしている請負業者Bが責任を負うことになります。

但し、注文者が指示したことによって、第三者に損害を与えたりしたのでしたら、もちろん注文者がその責任を負うことになります(民法716条)ので、Aが責任を負うことはないと断言する記述は誤りだとなります。

 

2. 〇 正しい

【問題】

甲マンション(管理組合A)の区分所有者が甲マンションにおいて事故により負傷した場合。

事故が甲マンションの管理受託業者から清掃業務を請け負った業者Cの社員が電動掃除機の操作を誤ってけがをさせたものであるときは、Cが責任を負い、Aが責任を負うことはない。

【解説】

肢1で解説した通り、注文者よる指示や過失がなければ、請負業務による第三者への損害に対する損害賠償責任については、請負人が負います。

記述では、清掃業務を請け負った業者Cの社員の過失による事故となっていますので、Aの指示や過失は認められませんので、Aが責任を負うことはないと判断できます。

また、損害を与えたのは、Cの社員で、業務中に起こっていますから、Cは使用者責任を負うことになりますので、Cが責任を負い、Aが責任を負うことはないとなります。

 

3. × 誤り

【問題】

甲マンション(管理組合A)の区分所有者が甲マンションにおいて事故により負傷した場合。

事故が区分所有者Dがベランダで引越荷物の整理中に生じた物品の落下によるものであるときは、Dが責任を負うが、Aが責任を負うこともある。

【解説】

民法717条1項に、土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならないと規定されていますから、共用部分であるベランダの設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を与えた場合であれば、Aが責任を負うことも考えられます。

ただ、記述の事故は、「区分所有者Dがベランダで引越荷物の整理中に生じた物品の落下」と原因は明らかで、Dが不法行為による損害賠償責任を負うと判断できます。

また、ベランダの設置又は保存による事故ではありませんので、Aが責任を負うことはないと考えられます。

 

4. × 誤り

【問題】

甲マンション(管理組合A)の区分所有者が甲マンションにおいて事故により負傷した場合。

事故が甲マンションの駐車場のゲートの開閉不良によるものであるときは、Aが責任を負い、区分所有者全員が責任を負うことはない。

【解説】

マンションの管理組合とは、区分所有者全員が参加している団体です。
その組合が責任を負うと言うことは、区分所有者全員が責任を負うと言うことになりますので、Aが責任を負い、区分所有者全員が責任を負うことはないと言うことはあり得ないことになります。

なお、駐車場のゲートは、甲マンションの共有に属するものですから、その所有者は、区分所有者全員となります。

肢3で解説しましたように、土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならないと民法に規定されていますので、区分所有者全員が責任を負うことはないとする記述は誤りだとなります。

 

以上より、解答はでした。 

つかみどころのない設問で、難しい問題なのか易しい問題なのかイマイチ判断に苦しむものでした。

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