【宅建業法】クーリング・オフについて

canvasクーリング・オフという言葉は、
1度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

クーリング・オフを簡単に言えば、
商品について知識の乏しい買主に与えられた
「契約を解除する」権利と言うところでしょうか。




クーリング・オフは主に訪問販売等でよく使われていると思いますが、
不動産についても規程がされています。

最初に確認しておきますが、クーリング・オフは、売主が宅建業者、
買主が宅建業者以外の者、このケースでしか行うことはありませんので

例えば、売主が宅建業者、買主も宅建業者と言うパターンでは、
クーリング・オフの適用はないと、しっかり覚えておいてください。

また、クーリング・オフは、素人の買主さんを守るための制度ですから、
その買主に不利になるような、特約はすべて無効となります。

では、順を追って説明しますね。

1.クーリング・オフができない場所

クーリング・オフで場所ときたら、「申込み場所」を指します。
これ以外の場所が、例えば「契約場所」などは、一切無視してください。

以下の場所で、申込みをした場合は、クーリング・オフはできません。

① 事務所
宅建業者の事務所で、申込みをした場合は、クーリング・オフはできません。

② 事務所以外の場所で、継続的に業務ができる施設で、専任の宅建士の設置義務が
ある場所

買主が申込みをしたときに、たまたま宅建士が不在であっても、
クーリング・オフはできません。

③ 一団(10以上)の宅地建物の販売を行う、土地に定着している案内所で、
専任の宅建士の設置義務がある場所

テント張りの案内所は、土地に定着していませんから、クーリング・オフが
できます。

④ 売主である宅建業者が、他の宅建業者に売買の媒介・代理を依頼した場合で、
その宅建業者の①②③(事務所等)の場所

⑤ 買主が自ら申出た場所で、自宅勤務先
買主が自ら申出た場所場所であっても、自宅・勤務先以外の場所、
例えば、喫茶店等は、クーリング・オフができます。

2.クーリング・オフの期限

業者からクーリング・オフについて書面で告げられた日から、8日間が経過
すると、クーリング・オフはできなくなります。

ココでのポイントは、書面で告げられた日から8日間です。

クーリング・オフについて、告げなかった。
クーリング・オフについて、口頭で告げた。

こう言った場合は、8日間と言うカウントがスタートしないため、
単純に考えて、いつでもクーリング・オフができるとなります。

また、クーリング・オフについて書面で告げることを、業者に対して
義務付けてはいません。
ですから、宅建士をして、説明させなければならないなどと言った出題は、
全て、間違いとなります。
宅建業者(誰でも構わない)が、買主に書面を渡せば、告げたとなります。

3.取引完了でクーリング・オフができなくなる

クーリング・オフは、一般消費者を守るための制度ですが、
取引が完了してもなお、クーリング・オフができるとしたら、
宅建業者としては、安心できません。

ですから、買主は、物件の引渡しを受け、なおかつ、
代金も全額を支払いをすれば、クーリング・オフはできなくなります。

物件の引渡しと代金の完済の2つが揃って、はじめてクーリング・オフが
できなくなりますから、
例えば、引渡を受けて、代金の半分を支払ったと言う時点では、
代金の完済が満たされていませんので、クーリング・オフはできるとなります。

4.クーリング・オフのやり方

クーリング・オフは、口頭ではできません。
必ず、書面で行わなければなりません。

そして、買主が、クーリング・オフの意思表示を示した書面を発した
時点で、効果が生じます。
つまり、買主が、ポストに入れた時点で、クーリング・オフは
完了と言うことです。

5.クーリング・オフの効果

クーリング・オフが実施されれば、何もなかったことになります。

ですから、業者が手付金等を、受けているのであれば、
速やかに返還しななければなりません。

また、クーリング・オフが実施され、業者に損害が発生したとしても、
業者は、一切、買主に対して損害賠償や違約金の請求をすることはできません。

関連過去問      
平成30年 問37 平成28年 問44 平成26年 問38 平成25年 問34
平成24年 問37 平成23年 問35 平成22年 問38 平成20年 問39
平成17年 問41 平成15年 問39 平成14年 問45 平成13年 問44
平成12年 問41 平成6年 問42 平成5年 問41 平成4年 問45

本日は、ここまでです
ご質問などありましたら、コメント欄にお願いします。

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11件のコメント

  • tommy

    お忙しい所、失礼致します。

    成年、専任の宅建士について質問があります。
    事務所等に設置義務がある宅建士は成年、専任の宅建なのに対してクーリングオフでクーリングオフ出来ない場面で出てくる宅建士は専任の宅建になっているのはなぜでしょうか?成年じゃなくても良いと言う事でしょうか?
    よろしくお願い致します。

    • ご質問ありがとうございます。

      専任の宅建士は、原則として成年(20歳以上)でなければいけません。
      例外として、未成年者自身が宅建業者であったり、法人の役員であったりすれば、
      専任の宅建士になることができます。

      ですから、基本的に専任の宅建士は、成年であることが前提となります。
      宅建士の設置義務では、専任の宅建士にどういう方がなれるのか、
      まだ勉強していないため、成年者である専任の宅建士と言うように細かく説明しているに過ぎません。

      その勉強をしていることを前提として、クーリングオフ等のテーマでは、
      専任の宅建士と単に表現しています。
      つまり、専任の宅建士は、成年者(例外を含む)である専任の宅建士のことを言っています。

      なお、ご質問の『成年じゃない』専任の宅建士と言う表現は、未成年者の例外のみしか指す言葉でしかないため、
      基本的に使うことはありません。

      従って、専任の宅建士と書かれていたら、全て成年者である専任の宅建士と考えてください。
      但し、一部例外として、未成年者であっても専任の宅建士になれることは、忘れないでおいてください。

      以上です。
      参考にしてください。

      • tommy

        ご回答ありがとうございました。
        毎回とてもわかりやすい解説でたいへん参考になります。

  • tommy

    お忙しい所、失礼致します。

    クーリングオフについて質問があります。
    よろしくお願い致します。

    クーリングオフが出来ない場面で、買受の申込みをした後でやっぱりキャンセル
    したいと思い、買受の申込みを撤回したい場合はどのような方法があるのでしょうか?
    契約締結後なら手付け解除があると思うのですが、まだ契約していない状況でも手付け解除の為の手付金を支払うのでしょうか?(違約金?)
    なぜ契約していないのに買受の申込みは撤回出来ないのでしようか?
    テストとは関係の無い質問で申し訳ありません。

    • ご質問ありがとうございます。

      『なぜ契約していないのに買受の申込みは撤回出来ないのでしようか?』このようなこと誰に聞きましたか?どこに書いていたでしょうか?お聞きしたいぐらいです。

      昨年の試験(H27-41肢エ)でも、解説していますので、ぜひご覧ください。

      クーリングオフは、申込みの撤回なんてよく言いかえますが、契約前の段階では、クーリングオフに関係なく、いつでも撤回は可能です。

      問題は、契約後のことですから、混同されないようにしてください。

      以上です。
      参考にしてください。

      • tommy

        ご回答ありがとうございました。
        勘違いしていたようです。スッキリしました。
        たいへん参考になります。

  • たっちゃん

    矢野先生、初めまして。以下の問題について教えて下さい。
    問)宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、造成工事完了前の宅地5,000万円で、Bに売却する契約を、Bの自宅近くのホテルのロビーで締結した場合に関する次の規定によれば、正しいものはどれか。
    選択肢1)宅地建物取引業者でないBが、法第37条の2の規定に基づき当該売買契約を解除した場合、その解除が宅地の造成工事完了後に行われた時でも、Aは、Bに対して、解除に伴う損害賠償を請求することはできず、また、速やかに、受領した手付金を返還しなければならない。

    答えは〇なのですが、相手方が履行に着手しているのに損害賠償請求もできず手付金も返還する、と、いう事がよく分かりません。

    • ご質問ありがとうございます。

      「法第37条の2の規定に基づき当該売買契約を解除した場合」とありますからこの問題は、クーリングオフの問題で、手付解除の問題ではありません。
      混乱されないように注意してください。

      クーリングオフの阻害要件について詳細はここでは書きませんが、相手方が履行に着手して云々は要件にございません。

      クーリングオフは素人の買主を守るための制度ですから、クーリングオフをされた宅建業者は、受取っている手付金等があればすべて返還し、当然、損害賠償請求もできません。

      宅建業者は、クーリングオフされるのが嫌なら、自社の事務所で申し込み(契約)等、法的要件を満たせばいいだけとなります。

      以上です。
      参考にしてください。

  • たっちゃん

    矢野先生、ご回答ありがとうございました!
    法第37条の2、で、クーリングオフの問題だということをきちんと認識できておらず、矢野先生のおっしゃる通り、手付解除の問題と混乱をしてしまいました。

  • やん

    初歩的な質問なのですが、
    クーリングオフが出来ない場所に

    自ら売主となる宅建業者が媒介、代理依頼をした宅建業者の事務所等

    が含まれていますが、
    業者ではない買主が媒介代理を依頼した宅建業者の事務所等 では、クーリングオフは可能という事なのでしょうか?

    • ご質問ありがとうございます。

      ご指摘のケースは聞いたことがないため、申し訳ありませんがお答えできません。

      ただ、わたし個人の判断として、素人の買主は失敗したくないため、不動産取引のプロである宅建業者に代理を依頼したと考えるのが普通だと思います。

      と考えるなら、業者間取引だと判断されると思いますので、クーリングオフの適用はなされないとわたしは判断します。

      以上です。
      参考にしてください。

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